NEC PC-8001

1979 年に発売された PC-8001 を翌年 1980 年の 12 月に買った。CPU は 8 ビットの 8080 であつた。この時見比べたのが Commodore の VIC-1000、Sharp の PC-3000 などであった。システムズフォーミュレートの BUBCOM80 というのがあってちょっと興味をひかれた (この会社はまもなくつぶれてしまった)。Apple II は高価だったし日本語対応していなかったので、はじめから検討の対象にならなかった。

写真に写っているのは本体 (キーボードと一体)、グリーン・モニタ、エプソンの 1 行 80 文字プリンタ、それから記憶装置としてのオーディオ用のカセットテープ装置である。このパソコンを買った目的のひとつは会社のミニコン (DEC の PDP-11/60) にアクセスしてプログラミングをすることであった。電話機のうしろに少し写っている (受話器しか写っていない) のは音響カップラで、これで通信した (これ一台で 15 万円した!!)。通信速度は 300 bps である。通信ソフトとしては CP/M のものを買って、テープから読んで使ったが、後には BASIC の term コマンドを使った。このころ音響カップラの通信は切れやすく、いろいろノウハウがあった。安全のため、この時プッシュホンに切り替えた。

カセットテープがあまりに面倒なのでしばらくして (1982 年暮れ) ディスク・ドライブを買った。これはわずか 2D (256KB) であったが、あまりの便利さで涙がこぼれそうであった。なにしろちょっとしたソフトを使おうとすると読み込みに 5 分はかかっていたのである。この機械では BASIC でヒストグラムのソフトを作ったほかは会社のコンピュータのリモート端末とゲーム用であった。我が家で一番人気があったのが「スペース・インベーダー」であった。あとは BASIC のゲーム本を買って、それを入力していろいろ動かした。

1982 年に NHK テレビで「パソコン入門」という講座があって、BASIC の解説をやった。その時メーカー名は出さなかったが、「機種 X」パソコンとして使われたのが PC-8001 であった。

1991 年に「情報の科学と技術」に書いた記事